2026/10/26
愛犬や愛猫が突然倒れ、体を硬くしたり、手足をばたつかせたりすると、どうすればよいかわからなくなるものです。
このような様子は、発作のサインである可能性があります。発作の原因はひとつではなく、短時間で治まることもあれば、長く続いたり繰り返したりして、緊急の治療が必要になることもあります。
いざというときに落ち着いて対応できるよう、今回は、犬と猫の発作への対処法、電話・受診の目安、原因や治療について解説します。
■目次
1.発作が起きたときに家庭ですること
2.すぐに電話・受診が必要な発作の目安
3.発作が治まった後も、静かに見守りましょう
4.犬と猫の発作は、てんかんだけが原因ではありません
5.発作の原因を調べる検査と、長期的な治療
6.まとめ
発作が起きたときに家庭ですること
目の前で発作が起きたら、無理に止めようとせず、まず時刻を確認し、飼い主様ご自身と犬や猫の安全を確保しましょう。発作が続いている場合や呼吸に異常がある場合は、動画の撮影よりも病院への連絡を優先してください。家庭では、次の点に気をつけて対応します。
①周囲の安全を確保する
家具や落下しそうな物を遠ざけ、階段や段差からの転落を防ぎます。体を強く押さえつけたり、無理に抱き上げたりすることは避けてください。
②口に手や物を入れない
舌を引っ張る必要はありません。発作中はあごの動きを制御できず、飼い主様がかまれるおそれがあります。
③発作の長さを記録する
気づいた時点で時計やスマートフォンを確認し、けいれんが続いた時間を記録します。始まった時刻がわからない場合は、そのことも獣医師に伝えましょう。
④余裕があれば動画を撮る
全身の動きや顔の様子がわかる動画は、診断の参考になります。ただし、撮影よりも安全確保と病院への連絡を優先してください。
また、大きな音や強い光などの刺激を避け、周囲の人やほかの動物を離します。意識が十分に戻っていない間は、水や食事、飲み薬を無理に口に入れないでください。発作時の救急薬を処方されている場合は、事前に受けた指示に従って使用しましょう。
すぐに電話・受診が必要な発作の目安
発作が治まるまで待ってよいか迷ったときは、続いている時間、回数、呼吸や意識の状態を確認します。次の場合は、すぐに動物病院へ電話し、受診を急いでください。
・発作が5分以上続いている
・意識が戻らないまま、次の発作が起きる
・24時間以内に2回以上、発作が起きる
・呼吸が苦しそう、舌や歯ぐきが青紫色になっている
・中毒の原因となる物を口にした可能性がある
長く続く発作や、意識が戻らないまま繰り返す発作は「てんかん重積状態」と呼ばれ、命に関わることがあります。また、発作が5分になるまで連絡を待つ必要はありません。発作が続いている場合や、始まった時刻がわからない場合も、その時点で電話してください。
初めての発作は、短時間で治まって元気に見えても、当日中を目安に連絡し、受診時期を相談しましょう。電話では「犬か猫か・年齢・発作の長さと回数・現在の意識と呼吸・服薬状況」を伝えると、状況を共有しやすくなります。
診療時間外や電話がつながらない場合、緊急のサインがあれば、対応可能な救急動物病院へ連絡してください。
発作が治まった後も、静かに見守りましょう
けいれんが止まっても、すぐに普段どおりに戻るとは限りません。発作後には、ぼんやりする、ふらつく、歩き回る、一時的に周囲が見えにくそうになるといった変化が見られることがあります。
静かで安全な場所で見守り、無理に歩かせたり、顔を近づけたりしないようにしましょう。混乱して、普段はかまない犬や猫がかんでしまうこともあります。
また、発作の終了時刻に加えて、呼びかけへの反応や歩き方が戻るまでの経過も記録してください。反応が乏しい、立てない、状態が悪化している場合は、発作後だからと判断せず、速やかに連絡しましょう。
犬と猫の発作は、てんかんだけが原因ではありません
発作のうち、脳の神経細胞に異常な電気活動が起こって生じるものを「てんかん発作」といいます。ただし、その背景にある原因はひとつではありません。
◆特発性てんかん
脳の明らかな病変や、ほかの原因が確認されず、発作を繰り返す病気
◆脳の病気やけが
脳炎、脳腫瘍、頭部の外傷など
◆全身の異常
低血糖、肝臓や腎臓の機能の異常、血液中のミネラルのバランスの乱れなど
◆中毒
薬剤や有害な物質の摂取など
発作には、全身がけいれんするものだけでなく、顔や片足だけがぴくつく、口を繰り返しくちゃくちゃ動かすといったものもあります。一方で、心臓病などによる失神が、発作に似て見えることもあります。
そのため、「けいれんした=てんかん」とは判断できません。動き方だけで原因を決めつけず、診察を受けることが大切です。
発作の原因を調べる検査と、長期的な治療
診察では、発作が起きた状況や動画、これまでの病歴を確認し、体の状態や神経の働きを調べます。一般的には血液検査や尿検査などで全身の異常を確認し、脳の病気が疑われる場合には、専門施設でのMRI検査などを検討します。必要な検査は、年齢や症状、診察結果によって異なります。
治療も原因によって変わり、低血糖や中毒などがあれば、その原因への対応が必要です。一方、特発性てんかんなどでは、発作の頻度や重症度に応じて、発作を抑える薬の継続投与を検討します。
てんかんは、生涯にわたる投薬と定期的な診察で管理していく場合がある病気です。治療では、発作の回数や長さ、重さを減らし、その子と飼い主様が穏やかに暮らせることを目指します。
投薬を始めるかどうかは、発作の頻度や重症度などを踏まえて判断します。治療中は自己判断で薬を減らしたり中止したりせず、発作の記録をもとに獣医師と相談しましょう。また、薬の効果や副作用を確認するため、定期的な診察や血液検査が必要です。
まとめ
犬や猫が発作を起こしたら、まず安全を確保し、口に手を入れず、時間を測りましょう。長引く発作や繰り返す発作、呼吸の異常がある場合は、すぐに連絡して受診することが大切です。
発作の原因や必要な治療は、その子によって異なります。初めて発作が起きた場合や、治療中に発作の様子が変わった場合は、栃木県小山市の当院へお電話でご相談ください。
栃木県小山市
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