2025/01/30
犬が足を引きずる姿を目にすると、飼い主様としては心配でたまらないことでしょう。
この症状は、ただの一時的な筋肉痛のような軽度の問題から、パテラ(膝蓋骨脱臼)や骨折といった深刻な疾患まで、さまざまな原因によって引き起こされます。
特に、放置することで悪化するケースも多く、犬の生活の質を大きく低下させる恐れがあります。
例えば、パテラや骨折などの骨や関節の異常は、早期に発見して治療を行うことで症状を改善させる可能性が高くなります。
早期対応が犬の健康を守る鍵となるため、飼い主様が日常的に愛犬を観察し、異常に気づいた際には速やかに動物病院を受診することが大切です。
今回は犬が足を引きずる理由について、症状や疑われる疾患、検査の流れなどを解説します。

・足を地面につけない、もしくは軽くしか触れない
・歩行時に大きく左右に体を揺らす不自然な動き
・痛みを感じているような表情や、触られることを嫌がる
特に、運動後や寝起きのタイミングで症状が目立つことがあります。例えば、散歩や運動後に突然足を引きずり始める場合や、朝起きた直後に歩行がぎこちなくなる場合です。こうした症状は、骨や関節に異常が生じている可能性を示しており、注意が必要です。
さらに、犬が痛みを感じているサインとして、足を舐め続ける、吠える、震えるといった行動が見られる場合もあります。
犬の散歩時間・距離・頻度の正しい目安についてはこちらから
この疾患は特にトイ・プードル、チワワ、ポメラニアン、ヨークシャー・テリアなどの小型犬に多く見られることで知られています。
先天的な要因が関与していることが多く、生まれつき膝関節が緩い犬が発症しやすい傾向にあります。
パテラの重症度はグレード1からグレード4まで分けられ、症状の程度が異なります。軽度のグレード1では膝蓋骨が一時的に外れるものの、自然に元に戻ることが多いですが、グレードが進むにつれて膝蓋骨が外れたまま戻らなくなり、歩行が困難になることがあります。特にグレード3や4の重症例では、手術が必要となることが一般的です。
治療方法としては、軽度の場合には運動制限や理学療法(リハビリテーション)が行われますが、重度の場合には外科手術が推奨されます。この病気は早期に診断し治療を行うことで、予後が良好になるケースが多いため、飼い主様は愛犬の歩き方や動きに注意を払い、異常を感じた際には早めに動物病院を受診してください。
前十字靭帯断裂は、膝蓋骨脱臼(パテラ)と併発することもあり、特に肥満や過度な運動が発症リスクを高めます。治療方法は手術が主となり、損傷した靭帯を再建することで、足の機能を回復させます。術後にはリハビリテーションが必要であり、飼い主様による日常的なケアも重要です。この病気は早期に適切な治療を行うことで、犬が再び元気に歩けるようになる可能性が高まります。
骨折が疑われる場合、まずは患部を固定し、犬がそれ以上痛みを感じないように配慮することが重要です。適切な応急処置を行った後、できるだけ早く動物病院を受診してください。骨折の治療には、固定具や手術による整復が必要となる場合が多く、迅速な対応が予後を大きく左右します。
また、他の症状と併発する場合もあるため、足を引きずるだけでなく、食欲不振や元気の低下が見られる場合には注意が必要です。こうした複合的な症状が見られた際には、すぐに動物病院での検査を受けることをお勧めします。
犬や猫の食欲不振についてはこちらから
愛犬や愛猫が元気をなくした時に考えられる原因と対処法についてはこちらから
また、腫瘍や神経の問題が疑われる場合には、追加の血液検査やMRI検査が行われることもあります。
また、予防策として適切な体重管理や定期的な健康診断を行うことが、これらの疾患を防ぐための効果的な方法です。適切なケアを通じて、愛犬が健康で快適な生活を送れるように努めていきましょう。
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この症状は、ただの一時的な筋肉痛のような軽度の問題から、パテラ(膝蓋骨脱臼)や骨折といった深刻な疾患まで、さまざまな原因によって引き起こされます。
特に、放置することで悪化するケースも多く、犬の生活の質を大きく低下させる恐れがあります。
例えば、パテラや骨折などの骨や関節の異常は、早期に発見して治療を行うことで症状を改善させる可能性が高くなります。
早期対応が犬の健康を守る鍵となるため、飼い主様が日常的に愛犬を観察し、異常に気づいた際には速やかに動物病院を受診することが大切です。
今回は犬が足を引きずる理由について、症状や疑われる疾患、検査の流れなどを解説します。

■目次
1.足を引きずる症状の特徴
2.パテラ(膝蓋骨脱臼)の場合
3.前十字靭帯断裂の場合
4.骨折が疑われる場合
5.その他の考えられる原因
6.診察・検査について
7.まとめ
足を引きずる症状の特徴
「犬が足を引きずる」とは、通常の歩行ができなくなり、足を地面に引きずるような状態や、片方の足をほとんど使わずに歩く様子を指します。具体的には、以下のような症状が見られることがあります。・足を地面につけない、もしくは軽くしか触れない
・歩行時に大きく左右に体を揺らす不自然な動き
・痛みを感じているような表情や、触られることを嫌がる
特に、運動後や寝起きのタイミングで症状が目立つことがあります。例えば、散歩や運動後に突然足を引きずり始める場合や、朝起きた直後に歩行がぎこちなくなる場合です。こうした症状は、骨や関節に異常が生じている可能性を示しており、注意が必要です。
さらに、犬が痛みを感じているサインとして、足を舐め続ける、吠える、震えるといった行動が見られる場合もあります。
犬の散歩時間・距離・頻度の正しい目安についてはこちらから
パテラ(膝蓋骨脱臼)の場合
パテラ(膝蓋骨脱臼)は、犬の膝蓋骨(膝のお皿)が本来の位置から外れる状態を指します。この疾患は特にトイ・プードル、チワワ、ポメラニアン、ヨークシャー・テリアなどの小型犬に多く見られることで知られています。
先天的な要因が関与していることが多く、生まれつき膝関節が緩い犬が発症しやすい傾向にあります。
パテラの重症度はグレード1からグレード4まで分けられ、症状の程度が異なります。軽度のグレード1では膝蓋骨が一時的に外れるものの、自然に元に戻ることが多いですが、グレードが進むにつれて膝蓋骨が外れたまま戻らなくなり、歩行が困難になることがあります。特にグレード3や4の重症例では、手術が必要となることが一般的です。
治療方法としては、軽度の場合には運動制限や理学療法(リハビリテーション)が行われますが、重度の場合には外科手術が推奨されます。この病気は早期に診断し治療を行うことで、予後が良好になるケースが多いため、飼い主様は愛犬の歩き方や動きに注意を払い、異常を感じた際には早めに動物病院を受診してください。
前十字靭帯断裂の場合
前十字靭帯断裂は、大型犬や肥満犬に多く見られる疾患の一つです。この病気は、膝の中にある前十字靭帯が切れることで、犬が足をうまく使えなくなる状態を指します。犬が前十字靭帯断裂を発生すると、急に足を引きずり始め、明らかな歩行異常が見られるようになります。前十字靭帯断裂は、膝蓋骨脱臼(パテラ)と併発することもあり、特に肥満や過度な運動が発症リスクを高めます。治療方法は手術が主となり、損傷した靭帯を再建することで、足の機能を回復させます。術後にはリハビリテーションが必要であり、飼い主様による日常的なケアも重要です。この病気は早期に適切な治療を行うことで、犬が再び元気に歩けるようになる可能性が高まります。
骨折が疑われる場合
犬が足を完全に使えなくなり、激しい痛みを感じている様子を示す場合は、骨折の可能性が考えられます。骨折は、交通事故や高所からの転落といった外傷によって発生することが多いです。骨折時には、患部が腫れている、触れると強く痛がる、足を完全に浮かせたまま動かないなどの症状が見られることがあります。骨折が疑われる場合、まずは患部を固定し、犬がそれ以上痛みを感じないように配慮することが重要です。適切な応急処置を行った後、できるだけ早く動物病院を受診してください。骨折の治療には、固定具や手術による整復が必要となる場合が多く、迅速な対応が予後を大きく左右します。
その他の考えられる原因
足を引きずる原因は、骨や関節だけではありません。例えば、腫瘍や神経の問題が原因となる場合もあります。腫瘍は、高齢の犬に多く見られる原因の一つで、骨や関節、筋肉にできるものが足を引きずる症状を引き起こします。一方で、神経の問題(例えば椎間板ヘルニア)では、足が麻痺しているような症状が見られることがあります。また、他の症状と併発する場合もあるため、足を引きずるだけでなく、食欲不振や元気の低下が見られる場合には注意が必要です。こうした複合的な症状が見られた際には、すぐに動物病院での検査を受けることをお勧めします。
犬や猫の食欲不振についてはこちらから
愛犬や愛猫が元気をなくした時に考えられる原因と対処法についてはこちらから
診察・検査について
動物病院での診察では、まず視診や触診を通じて痛みの部位や原因の特定を試みます。その後、必要に応じてレントゲン検査やCTスキャンが行われます。レントゲン検査は、骨折や膝蓋骨脱臼の状態を確認するために非常に有効であり、正確な診断を行うために欠かせません。また、腫瘍や神経の問題が疑われる場合には、追加の血液検査やMRI検査が行われることもあります。
まとめ
犬が足を引きずる症状が見られた場合、早期発見と早期治療が非常に重要です。パテラ(膝蓋骨脱臼)、前十字靭帯断裂、骨折といった問題は、いずれも放置すると症状が悪化し、治療が難しくなる恐れがあります。飼い主様としては、日常的に愛犬の動きを観察し、異常を感じた場合には迅速に動物病院での診察を受けるように心がけてください。また、予防策として適切な体重管理や定期的な健康診断を行うことが、これらの疾患を防ぐための効果的な方法です。適切なケアを通じて、愛犬が健康で快適な生活を送れるように努めていきましょう。
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