【獣医師解説】シニア期の犬・猫の発作は要注意|性格の変化や目が揺れる症状と脳腫瘍の可能性 - 小山レリーフ動物病院|栃木県小山市城東で診療を行う動物病院

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「急にてんかんのような発作を起こした」「今までと性格が変わった気がする」「ふらついたり、同じ場所をぐるぐる回ったりしている」など、愛犬や愛猫の様子に異変が見られると、不安になってしまいますよね。

特にシニア期の犬や猫の「性格の変化」や「ふらつき」といった症状に対しては、 「年齢のせいかもしれない」と考えて様子を見るケースも少なくありません。しかし、こうした神経症状の背景には、脳腫瘍などの病気が隠れている場合があります。

中でも注意したいのが、「シニア期になって初めて発作が起きたケース」です。若い頃から続いているてんかんとは異なり、脳の異常が関係している可能性も考えなければなりません。

そこで今回は、犬や猫の脳腫瘍で見られる症状や受診の目安、診断や治療の流れなどについて解説します。


■目次
1.「うちの子、ボケちゃった?」性格変化やふらつきは脳のサインかも
2.【チェックリスト】老化やてんかんではない可能性|脳腫瘍を疑うサイン
3.脳腫瘍の診断方法|神経学的検査は当院で、MRIは専門病院へ
4.治療の選択肢|専門病院での治療と当院でのサポート
5.発作が起きても慌てないために|ご自宅でできる対応
6.まとめ


「うちの子、ボケちゃった?」性格変化やふらつきは脳のサインかも

犬や猫は年齢を重ねると、行動や反応に少しずつ変化が見られるようになります。そのため、異変があっても「シニアだから仕方ない」と受け止めてしまう飼い主様もいらっしゃいます。

しかし、以下のような変化が見られる場合は、単なる老化ではなく、脳の異常によって起きている可能性があります。

<性格の変化>
・急に攻撃的になる
・ぼんやりしている時間が増える
・呼びかけへの反応が鈍くなる
・飼い主様の存在に気づきにくくなる

<神経症状>
・ふらつく
・歩き方が不自然になる
・同じ場所をぐるぐる回る(旋回)
・壁や家具にぶつかる

これらの症状は、脳腫瘍によって脳が圧迫されたり、神経の働きに異常が起きたりして表れる場合があります。

なお、脳腫瘍の症状は、ゆっくり進行するケースもあれば、ある日突然強く表れるケースもあります。そのため、「少し気になるけれど様子を見よう」と判断してしまう前に、一度動物病院へ相談することが大切です。


【チェックリスト】老化やてんかんではない可能性|脳腫瘍を疑うサイン

犬や猫で発作が見られた場合、てんかんを疑うケースは少なくありません。

ただし、7歳以上のシニア期で初めて発作が起きた場合は、特発性てんかんだけでなく、脳腫瘍の可能性も考える必要があります。

特に、以下のような症状がある場合は注意が必要です。

<脳腫瘍を疑う主なサイン>
・壁に頭を押し付ける(ヘッドプレス)
・部屋の隅で動けなくなる
・同じ方向へ旋回し続ける
・急に攻撃的になる
・反応が乏しくなる
・ぼんやりしている時間が増える

また、目の異常が見られる場合もあります。

<目に見られる異常>
・目が左右や上下に揺れる(眼振)
・瞳孔の大きさが左右で違う
・焦点が合いにくい

このような症状が見られる場合、「少し様子を見よう」と考えてしまうこともあるかもしれません。しかし、脳の病気では時間の経過とともに症状が進行するケースもあります。

そのため、発作や神経症状が見られた際は、「一時的なものかもしれない」と自己判断せず、症状が出たタイミングや様子を記録したうえで、できるだけ早めに動物病院へ相談することが大切です。

特に、症状が徐々に増えている場合や、以前とは違う行動が続いている場合は、脳の異常が進行している可能性もあります。早めに状態を把握することで、今後の治療や生活のサポートについて考えやすくなるケースもあります。


脳腫瘍の診断方法|神経学的検査は当院で、MRIは専門病院へ

脳腫瘍が疑われる場合、まずは問診や神経学的検査を行い、「脳のどの部位に異常がある可能性が高いのか」を確認していきます。

神経学的検査では、歩き方や反応、姿勢、目の動きなどを確認しながら、神経の異常部位を推測します。

ただし、脳腫瘍の確定診断にはMRI検査が必要です。そのため、当院で初期検査を行ったうえで、必要に応じて連携している二次診療施設をご紹介しています。

なお、来院時に発作が続いていたり、強い興奮が見られたりする場合は、無理に検査を進めるわけではありません。まずは鎮静処置や抗てんかん薬によって状態を安定させ、犬や猫への負担を抑えることを優先します。

「すぐMRIを受けないと危険なのでは」と不安になる飼い主様もいらっしゃいますが、状態に応じて段階的に検査を進めることが大切です。

当院では、飼い主様にも現在の状態や必要な検査について丁寧にご説明しながら、一緒に今後の方針を考えていきます。


治療の選択肢|専門病院での治療と当院でのサポート

脳腫瘍の治療には、主に以下のような方法があります。

・外科手術
・放射線治療
・内科的治療(発作のコントロールや緩和ケア)

このうち、脳外科手術や放射線治療は、高度な設備や専門的な管理が必要となるため、専門病院で行われるケースが一般的です。

当院では、検査結果や犬や猫の状態を踏まえながら、必要に応じて専門病院をご紹介し、適切な治療環境をコーディネートしています。

一方で、すべてのケースで積極的な治療を選択するとは限りません。

たとえば、発作をできるだけ抑えながら穏やかに過ごすための内科治療を選択する場合もあります。また、特に高齢の場合には全身状態への負担を考慮しながら、生活の質を優先するケースも少なくありません。

脳腫瘍は長期的な管理が必要になる場合も多いため、飼い主様のご希望や犬や猫の状態に合わせながら、治療方針を一緒に考えていくことが大切です。


発作が起きても慌てないために|ご自宅でできる対応

愛犬や愛猫が突然発作を起こすと、「すぐに止めなければ」と焦ってしまうかもしれません。

しかし、発作中に無理に体を押さえたり、口元に手を入れたりすると、思わぬケガにつながる恐れがあります。そのため、まずは周囲の安全を確保し、落ち着いて見守ることが大切です。

特に、家具の角や階段など危険な場所が近くにある場合は、ぶつからないよう配慮してあげましょう。

また、可能であればスマートフォンなどで発作の様子を動画撮影しておくことをおすすめします。

・発作が何分続いたか
・どのような動きをしていたか
・意識があったか
・発作後にどんな様子だったか

こうした情報は、診断や今後の治療方針を考えるうえで非常に重要です。

なお、以下のような場合は早急な受診が必要です。

・発作が長時間続いている
・短時間に何度も繰り返す
・発作後も意識が戻らない
・呼吸が苦しそう

事前に対応方法を知っておくと、万が一の際にも落ち着いて行動しやすくなります。


まとめ

発作やふらつき、旋回、性格の変化、目が揺れるといった症状は、脳からの重要なサインである可能性があります。

特に、シニア期の犬や猫で初めて発作が起きた場合は、「高齢だから」と自己判断せず、脳腫瘍などの病気も視野に入れて考えることが大切です。

脳腫瘍は、検査や治療だけでなく、その後の長期的なサポートも重要になる病気です。そのため、飼い主様が不安を抱え込まず、相談しながら進めていける環境が大切だと考えています。

なお、当院ではインフォームドコンセントを重視し、犬や猫の状態や飼い主様のお気持ちに寄り添いながら、検査や治療の選択肢を丁寧にご説明しています。

また、必要に応じて専門病院と連携しながら、ホームドクターとして継続的にサポートいたします。気になる症状が見られる場合は、まずはお気軽にご相談ください。


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