犬や猫の首のしこりは要注意|甲状腺腫瘍の症状と受診の目安を獣医師が解説 - 小山レリーフ動物病院|栃木県小山市城東で診療を行う動物病院

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愛犬や愛猫とのスキンシップ中に、「首に小さなしこりがある」と気づき、不安を感じた経験がある飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか。

首にできるしこりは、必ずしもすぐに深刻な病気につながるとは限りません。しかし、なかには見逃せない病気が隠れている場合もあり、そのひとつが甲状腺腫瘍です。

こうした変化は、日頃から体に触れたり、様子を観察したりする中で気づけることが少なくありません。だからこそ、普段のふれあいが早期発見につながる大切なきっかけになります。

今回は、犬や猫にみられる甲状腺腫瘍について、症状や受診の目安などを解説します。



■目次
1.首のしこりの中でも特に注意したい「甲状腺腫瘍」とは?
2.【犬の場合】悪性が多い傾向|咳・息切れ・声の枯れに注意
3.【猫の場合】甲状腺機能亢進症と高血圧のリスク
4.診断と治療|その子に合わせた選択を大切に
5.受診の目安|こんな症状があれば早めにご相談を
6.まとめ|早期発見のカギは日頃のスキンシップ


首のしこりの中でも特に注意したい「甲状腺腫瘍」とは?

まず、甲状腺とは首の気管の近くに位置し、体の代謝を調整する甲状腺ホルモンを分泌する重要な臓器です。
この甲状腺に腫瘍ができると、外から触れたときに「しこり」として触れることがあります。

ただし、首にできるしこりがすべて甲状腺に関係しているわけではありません。リンパ節の腫れや皮膚の腫瘍など、別の原因である可能性もあります。

いずれにしても、首という重要な部位に変化がある場合には見逃さず、早めに動物病院に相談することが大切です。


【犬の場合】悪性が多い傾向|咳・息切れ・声のかすれに注意

甲状腺腫瘍には良性のものと悪性のものがありますが、犬の場合は悪性が多い傾向にあります。そのため、単なるしこりとして捉えるのではなく、全身への影響も含めて注意が必要です。

腫瘍が大きくなると気管を圧迫し、以下のような症状が表れることがあります。

・咳が増える
・呼吸が荒くなる、息切れをする
・声がかすれる


とくに「首にしこりがある」「最近咳が増えた」といった変化が重なっている場合は、早めの受診が重要です。

また、どの犬種にも起こる可能性がありますが、ビーグルやゴールデン・レトリーバーは発症しやすい犬種とされているため、特に注意が必要です。


【猫の場合】甲状腺機能亢進症と高血圧のリスク

一方で、猫の甲状腺腫瘍は良性が多く、高齢になるほど発症しやすい傾向にあります
しかし、猫ではホルモンを過剰に分泌する「機能性腫瘍」である場合が多く、甲状腺機能亢進症を引き起こす点が特徴です。

また、甲状腺ホルモンが過剰になると、体の代謝が活発になり、以下のような変化が表れることがあります。

・食べているのに体重が減る
・落ち着きがなくなる、活動量が増える
・被毛の状態が変わる


さらに、高血圧を伴うことで、以下のような症状が見られることもあります。

・目が赤くなる
・ふらつく、バランスを崩す


なお、この状態が続くと心臓への負担につながる可能性もあるため注意が必要です。

このように、猫の場合はしこりだけで判断するのではなく、日常の様子の変化にも目を向けることが重要です。


診断と治療|その子に合わせた選択を大切に

甲状腺腫瘍の診断では、触診に加えて画像検査や血液検査などを組み合わせながら、全体の状態を確認していきます。
そのうえで、犬や猫それぞれの特徴や進行状況に応じて、治療方針を検討します。

一般的に、猫では投薬によってホルモンのコントロールを行うケースが多く見られます。
一方で、犬では悪性腫瘍が多いため、外科的な対応が検討されることもあります。ただし、甲状腺は重要な血管や神経に近い部位にあるため、当院では安全面や設備の観点から、より整った環境での治療が望ましいと判断される場合には、専門病院をご紹介することもあります。

また、治療を選ぶ際には、病気の状態だけでなく、生活の質やご家族のご希望も大切な要素になります。そのため、当院ではインフォームドコンセントを重視し、複数の選択肢を丁寧にご説明しながら、納得いただける形で方針を一緒に考えていきます


受診の目安|こんな症状があれば早めにご相談を

以下のような変化が見られる場合は、甲状腺腫瘍が関係している可能性もあるため、早めの受診をご検討ください。

<受診の目安>
・首にしこりがある
・最近咳が増えた、息苦しそうにしている
・元気や食欲が落ちた、体重が変化した
・目の異常やふらつきなど、高血圧が疑われる症状(猫のみ)


これらは一見すると軽い変化に感じられるかもしれませんが、体の中で異変が進んでいるサインとして表れている場合もあります。

そのため、様子を見るべきか迷う段階であっても、上記にひとつでも当てはまる場合は、早めに病院に相談することが大切です。


まとめ|早期発見のカギは日頃のスキンシップ

首のしこりは、飼い主様が日常のふれあいの中で気づける大切なサインです。
そのため、体をなでたり、様子を観察したりする習慣が、早期発見につながります。

また、犬と猫では症状の出方や注意すべきポイントが異なるため、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。治療においても、完治だけを目標とするのではなく、生活の質を大切にした選択が求められる場面もあります。

なお、当院では飼い主様のお気持ちやご家族の状態に寄り添いながら、適切な検査や治療のご提案を行っています。首にしこりを見つけた場合や、気になる変化がある際は、まずは診察にてお気軽にご相談ください。


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